WEB記事あるある
WEB媒体のメディアの場合、紙面とは違った悩みがある。
本当に色々な悩みがあるのだ。
この「取材談」のカテゴリでは、普通の取材談に加えて色々な悩みや取材あるあるも取り扱っていきたいと思う。
今回、僕が経験した取材での悩みは「写真」だ。
ライター側からしてみると、写真はWEB記事の命とも言える。
しかし、これは読者からすると意識が全然違う。
WEB記事の写真は、まるでフリー素材のように扱われがちだ。
SNSのアイコンに使用されたり、勝手にブログに使用されたり、なかなか酷い扱われようだと思う。
もちろん、WEB記事の写真には著作権があり、許可なく他人が使っていいものではない。
僕は写真に命を賭けている
取材時、僕は自分でWEB記事に使う写真を撮影している。
WEB記事にとって、写真は読者に記事の印象を決定付ける非常に重要なものなのだ。
記事を書いて生きている自分にとって、写真は命と言ってもいい。
当然、良い写真を撮るために十分な機材を準備し、常日頃から勉強を欠かさないようにしている。
大げさではなく、写真は僕の人生を賭けてきた産物だ。
これは、写真に限らず、世のあるゆる職業に言えることだろう。
しかし、写真がネットにアップされると、その価値は途端に軽く扱われてしまう。
「無料で公開されている記事の写真 = 無料」
そう思われているのだろう。
プロとして仕事をしている自分にとって、これほど悲しいことは無い。
写真が無断でフリーペーパーに使用された
まだ、一般の人が「良い写真見つけた」「このお店の料理美味しそう」などとSNSで写真を引用して発信するのは我慢が出来る。
しかし、僕の写真が勝手にフリーペーパーに使われていた時はショックだった。
お店の紹介をするフリーペーパーだったので、お店のオーナーさんが勝手に使用したのだろう。
「自分のお店のことを書いた記事の写真だから、自由に使っていいよね?」
っと解釈されたのかもしれない。
個人利用なら我慢が出来るが、商用利用となるとさすがにショックが大きい。
その他、観光サイトにも無断で使用されているのも見掛けた。
僕が命をかけて学び、準備をし、自分の足で出向いて撮影をした写真が、他人様の利益に無断で利用されている。
これは、WEB記事のライターさんであれば誰もが経験することだと思う。
「本気」「価値」が伝わらないというのはとても悲しい。
無断掲載への対応はどうする?
じゃあ、無断使用を発見したらどうするのか。
僕は、正直「何もしない」を選択している。
僕は、僕が紹介したお店が繁盛して欲しい。
その想いをとても強く思っている。
なので、写真の価値が伝わらなかったとしても、本当は違法行為だったとしても、黙認しているのが現状だ。
僕が主に活動している地域は、全国的に見るとまだまだ田舎だ。
そこでチクチクと写真の無断使用について糾弾しようものなら、ありもしない噂が街に回る可能性が高い。
田舎とはそういうものである。
そして、僕の仕事は信用が大切だ。
「自分の人生を賭けた写真」と「仕事の未来」を天秤にかけて、今は黙認を選択したのだ。
そもそも「価値」の認識が違う人間に、価値の「認識」を改めさせようという行為は危険である。
相手は「悪い」と思っていないのだから、認識を改めさせようと思っても「理不尽に責められた」「話の通じない人間」「悪い人」というレッテルを貼られるだけであろう。
これは、相手が良い人、悪い人という問題ではなくて、価値観の違いからくる危険というのを忘れてはいけない。
取材側としては、人間関係が崩れる・信用が落ちるというのは一番避けたい事態なので、人との付き合い方が難しいなと実感している最中だ。
今後の対応
では、今後も黙認を続けるのか。
今後は、そうならないように対応をしていくつもりだ。
対応として考えられるのは、
・クライアントに事前説明をする
・写真にウォーターマークを入れる
・WEB記事に注意を記載する
・商用利用はさすがに異議を申し立てる
という4点を意識していくつもりだ。
ただし、ウォーターマークについては最終手段と思っている。
ウォーターマークを入れることによって、WEB記事の読者に無駄な情報を与えることになるからだ。
なるべく穏便に、事前にトラブルを回避できるのが一番なので、そうなるように努力をしていこうと思う。