第1回|飲食店は家事のアウトソーシングでは無い|コロナ禍で生き残っているお店の特徴

取材をして分かったコロナ禍の飲食店の実状

新型コロナウイルスの影響は大きく、特に飲食店への影響は大きい。

営業自粛であったり、会食が無くなったり、負の影響は計り知れないものがある。

色々なニュース番組でも、そのような情報を取り上げているのを目にします。

では、実際の街の状況はどうなのか。

飲食店は消えていくのを待つだけなのか。

飲食店の取材を続けていく上で見えてきた、「飲食店の実状」をお伝えしたいと思う。

絶えず飲食店を見てきて、オーナーさんにインタビューを続けてきたからこそ感じたことを素直に書いていく。

そして、コロナ禍で生き残っているお店の特徴として、数回に記事を分けて皆様に情報をお届けします。

第1回目のタイトルは「飲食店は家事のアウトソーシングでは無い」です。

コロナ禍でも、飲食店の売り上げは増えている

新型コロナウイルスの流行により、多くの飲食店が打撃を受けている。

しかし、実際のところは「むしろ、人気店は売り上げが増えている」という認識が正しい。

人気店ではない飲食店の売り上げがパタリと止まっているのだ。

新型コロナウイルスを期に、飲食店の明暗が分かれた形だ。

では、「明暗が分かれてしまった理由」とは何だろうか。

飲食店は家事のアウトソーシングだと思っていない?

まずは大きな理由として、飲食店は食事の提供を「家事のアウトソーシング」だと思っていないだろうか。

もちろん、それは間違いではない。

ただ、その意識がお店の中心となってしまうと飲食店の大きな質の低下へと繋がってしまう。

経営が厳しくなっている飲食店を見ると、多くの場合「家事のアウトソーシング」となってしまっているという現象に当てはまる。

意識は低い所へ流れると言う。

飲食店のオーナーも意図せずして、結果的に「家事のアウトソーシング」が中心となるお店になってしまっていたのかもしれない。

そういうお店に、果たしてこのコロナ禍でもお客さんは足を運んでくれるだろうか。

少なからずある「新型コロナウイルスへの感染」というリスクを冒してまで、お料理を食べに来てくれるだろうか。

お店というのは、お客さんに「感動」「喜び」を与えてこそ価値があるのだと思う。

意識はお店に表れる

「意識の問題」

これは、非常に重要である。

何故ならば、お店というのはオーナーの「心」を表現する場だからだ。

オーナーの「やる気」「向上心」「ポジティブな考え」「想い」「信念」、これらがお料理やサービス、お店づくりに間違いなく表れる。

それは、良くも悪くも残酷なほどにお客さんに伝わるのだ。

飲食店に取材をする側の自分も、厳しい視線でチェックしている。

外食というのは贅沢な行為であり、贅沢をしたいと思って来店しているお客さんの目はとてもシビアである。

この辺りは、いづれ「売れるお店の作り方」のカテゴリ記事で詳細を書いていく予定だ。

とにかく、オーナーは「常に上を目指す」意識を持たないといけない。

飲食店はプロじゃなくてもできるけど

飲食店というのは面白く、どこかで修業をしたプロでなくともお店を出すことができる。

これは飲食店に「家事のアウトソーシング」という側面があるからだ。

お店の目指す方向は様々であり、必ずしも有名店で修業をしたプロの料理人である必要はない。

しかし、どんなお店にも付加価値は必要だ。

なぜならば、お客様からお金をもらって「生業」として飲食店をしているのだから。

付加価値が無く、家庭と全く同じ環境、家庭と全く同じ料理を出していては薄利多売をするしかなくなる。

付加価値の無い商品には、「感動」も「喜び」も無い。

つまり、このコロナ禍で生き残っているお店は、自分のお店を「家事のアウトソーシング」という特徴のないお店だとは思っていないということだ。

むしろ、そうならないように意識して、努力を続けているお店だと言っていいだろう。

お店を変えたいと思った場合、まずは小手先の対策よりも内面を変えることが大きな一歩となるはずだ。

自分のお店は「お料理を通して、お客さんに何を伝えたいのだろう」「お店を通して、どんな価値を提供したいのだろう」というのを今一度考えてみて欲しい。

それはコロナ禍に限らず、お店の営業を続けていく上で間違いなく大きな指針となる。

これは「理念」「存在意義」と言い換えてもいい。

僕が飲食店に取材をする際、オーナーさんが「理念」に対する確固たる答えを持っていると取材が非常にスムーズに終わる。

どんな質問をしても、シッカリとした回答が出てくるからだ。

お店の雰囲気、お料理にも当然「理念」は反映されていて、取材側としてもお店の魅力を記事で伝えやすい。

意識というのは本当に大切なので、次回も意識について少し触れてみようと思う。

 

次回の「コロナ禍で生き残っているお店の特徴」の記事は「国を頼らない」の予定です。