取材交渉は大変だ
地域密着型のWEBサイトを運営していると、飲食店へ取材に行くことも多くあるだろう。
僕のWEBサイトは、飲食店への取材が8割以上を占める。
当然、取材交渉が必要なのだが、この取材交渉が大変だったりする。
スムーズに進むこともあれば、稀に面倒な方と出会うこともあるのだ。
僕は、交渉・仕事というのは、双方にメリットを見出せるからこそ成立すると思っている。
商売の基本だと思っているが、これが上手に通じない場合がある。
そのような場面に、僕は何度となく遭遇している。
僕の地域が田舎であり、個性が強い街だからというも理由だろう。
飲食店は取材を受けるとお金が貰えると思っている
僕の地域密着型のWEBサイトでは、「有料取材」と「無料取材」の2パターンがある。
相手から取材と宣伝の依頼がある場合は有料、僕から飲食店に取材の希望を出す場合は無料という形を取っている。
無料取材の場合は、相手に
・普段は有料だが今回は無料で取材をしてお店を紹介します
・商品撮影が必須なので、お料理の提供・ご負担をお願いします
・紹介するお料理はすべてお店にお任せします
と伝えている。
要は、お料理代を負担してもらえれば無料で取材をして宣伝しますよということだ。
しかし、これに納得できないお店も当然いる。
特に飲食店に多いのだが、取材を受けると取材料を貰えると思っているお店が少なからずあるのだ。
僕の地域では、老舗やこだわりの強いお店に多い印象だ。
お店によっては、お料理代を支払ってくれと言われる。
つまり、「無料でお店を宣伝するなら、宣伝料やお料理代も払って欲しい」ということだ。
ちょっとよく分からない。
これでは、取材側としてはボランティアになってしまい、運営がままならなくなってしまう。
この問題は、飲食店がWEB媒体のメディアをテレビや新聞と同じように考えているか、素人の趣味ブログと同じように思っているから起こっていると思う。
テレビとの違い
テレビというのは、CMを流すスポンサーがいて、スポンサーから制作費の捻出が行われて「番組」を制作します。
「番組」を制作して視聴率を上げて、CMを流すスポンサーを増やして収益化をして制作費を作るという循環構造だ。
しかし、WEB媒体の場合はちょっと違う。
地域密着型のWEBサイトは記事自体が「番組」ではなくて、「CM」という位置づけなのだ。
言ってみれば、テレビショッピングのような形だ。
テレビショッピングで、「ウチの商品を販売したい?それなら謝礼金を用意しろ!」とはならないだろう。
ましてや、地域密着型のWEBサイトで販売しているのは地域情報であり、無料提供なので販売利益は0円である。
販売利益が得られないため、WEB記事というのは依頼主からお金を頂戴して制作するものなのである。
勘違いしている人は、WEB記事を「番組」だと思っている。
隠れたスポンサー、隠れた大金があると勝手に想像しているのだ。
これが原因で、僕としては「CMを無料で作って宣伝してあげますよ」と言っているつもりなのだが、それが通じていないという現状なのだろう。
相手にはこう聞こえているのだろう
「CMを無料で作って宣伝してあげます」
と僕としては伝えているつもりだが、相手の方は全く違う受け取り方をしているように思える。
「僕はあなたのお店を使ってお金儲けをしたいのだが、お料理代も負担してくれ」
と聞こえているのではないかと思う。
”裏にスポンサーがいるんだろ?それなら、お料理代も出せ!”
という考えに至っているのではないだろうか。
しかし、仮に本当に僕が「お店を宣伝してお金儲けをしたい」と思っていたとしても、それは悪いことではないはずだ。
その対価として、僕はお店にお客さんを呼ぶという仕事をするのだから。
それも、普段は有料でやっていること無料でやると提案をしている。
伝える努力はして交渉しているつもりだが、なかなか上手くいかない場合もあるということだ。
もちろん、お店の方針、こだわりもあるだろうし、考え方の違いもあるので取材を断るお店も当然ある。
それはそれでいいのだ。
全員が全員、宣伝を望んでいるわけではないということは重々承知である。
宣伝を望んでいて、条件に同意してくれるお店だけ取材を受けてくれればいい。
そうすれば、WEB記事を見る人も、お店も、皆が幸せになれるのだから。
クレームへと発展する場合もある
認識の違いとは恐ろしいもので、人は自分の価値観や考えと違う人と出会うと相手を攻撃したくなるものらしい。
僕が相手に取材の条件を提示して、宜しければご検討くださいとメッセージを送ると、怒涛のような罵倒が来ることがある。
それはもう、何の前触れもなく怒涛のクレームだ。
正直、大きなストレスであり、悲しい気持ちになる。
取材の条件に合わないのであれば、無視をするか、断りの返事だけでいいはずだが、それでは治まらない気持ちがあるらしい。
まさか怒涛のクレームをいきなり浴びることになるなんて。
・うちのお店は、そんな軽いお店じゃない
・そんなことをしていると問題になるぞ
・そんなに金儲けがしたいのか
・お金を払わないでお料理を出せなんて失礼だ
…etc
今までに色々なことを言われた。
こんなとき、どういう返事をするのが適切なのか、大人な対応なのかを判断するストレスというのは半端ないものがある。
取材者のあるあるだと思うので、これからメディアを立ち上げたいという人は心しておくといい事例だと思う。