第1回|地域情報発信WEBサイトは収益が難しい|地域密着型ローカルWEBサイトの収益方法

地域情報WEBメディアって儲かるの?

地域密着型のWEBメディアというのは、昔に比べるとかなり各地域に根付いているように思う。

テレビ局が運営していたり、運営の形態は様々だ。

これだけ地域に特化したWEBメディアが普及しているということは、WEBメディアは儲かるということなのだろうか。

ハッキリというと、地域特化型のWEBメディアは全く儲からない。

WEBメディアのみで十分な収益を上げようとしても、それはなかなか難しいはずだ。

更に言うと、認知度を上げるまでが非常に大変なのだ。

知名度が上がって、アクセス数が上がっても、それが必ずしも収入に反映されるわけではない。

もしも、地域特化型のWEBメディアをブログと同じように考えて収益を出そうと考えている人がいれば考え直した方がいいだろう。

まずは、WEBメディアだからこその問題や悩みを紹介しようと思う。

もちろん、WEBメディアのメリットも多くあるが、まずは都合の良い話ばかりではなくてデメリットを知っておいて欲しい。

地域情報WEBメディアの問題点

地域密着型ローカルWEBメディアは、閲覧者を得やすく知名度を上げやすいというメリットがある。

それでも、収益化が難しいと断言するのには理由がある。

その理由を大きく4つに分けて説明しよう。

1.地方だと読者の母数が少ない

WEBメディアで重要なのは、ターゲット層の母数である。

ターゲットとなる人の母数が多ければ多いほど、閲覧者を増やせる可能性がある。

しかし、地方のローカルWEBメディアだと、そもそも住んでいる住民の数が少ないという問題がある。

僕がフィールドとしている地域は24万人程の人が住んでいるが、これではWEBメディアは非常に苦労をすることになる。

僕の運営するWEBメディアは地域では最大級のWEBサイトであり、月のアクセスが最大30万アクセス以上だ。

逆に言うと、この規模の地方では月30万アクセスが限界ということになる。

そして、30万アクセス程度では事業としてやっていける収益は得られない。

もしも、WEBサイトだけで十分な収益を得たいのであれば、最低でも100万人が住んでいる地域を選ぶ必要がある。

2.趣味や遊びだと思われる

WEB媒体というのは、テレビやラジオや新聞と比べて自由な印象があり、表現もフランクだ。

ブログを趣味でされている方も多くいるため、より個人的で娯楽的に思われがちだ。

そのため、「WEBメディア」とは言っても「個人の趣味」「暇つぶし」「面白がってやっている」と思われている場合がある。

実際、取材先でそのように言われることも多い。

そういう印象が先行しているため、お金を払って取材をしてもらったり、何か仕事を依頼しようという人が少ないのだ。

3.見知らぬ大きな収益源があると思われている

地方というのは、情報系の仕事に非常に疎い。

インターネットは怖いものであり、見知らぬ大きな力がうごめいていると思われている。

なので、WEB記事をアップすると大金が入っているシステムがあると思われていることがあるのだ。

楽して大金が稼げるインターネットはいいね~と言われてしまう。

当然、そんなおいしい話は無い。

WEB記事での広告収入はあるものの、広告収入なんて微々たるものなのだから。

4.WEB媒体は”無料”が当たり前

WEBというのは、様々なサービスが無料で提供をされている。

SNSも基本的には無料であり、オンラインショップも無料で作ることが出来るし、イラストや写真素材も無料で手に入る。

何でも無料だ。

そのせいで、WEB関連はすべて無料が当たり前だと多くの人が思っているのだ。

WEBに広告を載せるのは無料でしょう?記事の写真は自由に使っていいでしょう?取材なんて全部無料でしょう?

そんなわけはない。

人が動いて、技術を提供して、時間と努力で培ったものを仕事として活かしているのだから。

人が動いているのに、無料で出来るわけがない。

「お店の宣伝をして欲しいから、お店の写真を撮りに来てもらって紹介記事を書いて欲しい」

「紹介記事には動画も撮って載せて欲しい」

「もちろん無料で」

そんなことを当たり前のように言われるのだ。

写真を撮るカメラは数十万円はするし、カメラは3台は持っていくし、その他の撮影機材もそれなりの値段だ。

それを持って、撮影場所に出向いて、被写体に何十分も向かい合って撮影し、持ち帰って写真を編集して、記事の構成を考えて文章を書く。

出来上がったものを、自分の各SNSで宣伝をする手間もある。

SNSのフォロワーさんは、自分が長い時間をかけて集めた貴重で有難い存在であり、大切な財産でもある。

そんな作業に加えて、動画を撮って、編集をしてとなると、その労力は相当なものだ。

しかし、それは一般の人からすると「無料」で当たり前のことなのだ。

お店は取材をされることで”謝礼”が貰えると思っている

上記の4つの理由に加えて、厄介な問題がある。

無料だと思われるのはまだ慣れているが、取材を受けることで「謝礼」が貰えると思っているお店もあるのだ。

お店からすると、

”宣伝をさせてあげている”

という認識だ。

僕らは、お店の宣伝をしてお店にお客さんを呼んであげるのが取材の目的であり、それがお店に提供できるメリットだ。

その対価として、宣伝費を頂くのを基本としている。

テレビはスポンサーがいますし、新聞は有料で販売をしているから取材依頼料などを徴収しなくても済む。

しかし、WEBメディアはそうはいかない。

無料で記事を公開して、スポンサーというものがいない場合は宣伝費を頂かないと運営が出来ないのだ。

そうなると、お店側としては「取材をさせてあげた上に、宣伝費まで取られるの?!」となる。

お店側としては、謝礼を貰えるどころかお金を取られるというのだから驚きだろう。

飲食店であれば、「宣伝させてあげるんだから、お料理代を払ってください」と考えているお店がある。

宣伝側としては、それだとボランティアになってしまい何もメリットがない。

この認識の違いはWEBメディアを運営する上で大きな障害となる。

取材の交渉段階でクレームを言われることさえあるので、気持ちを強く持つことが大切だ。

安定収入が難しい

最後に、WEBメディアを運営する上で欠かせない「広告収入」について話そう。

広告収入というのは非常に不安定なものだ。

モノを売って利益を出しているわけではないので、「原価」「売価」の考え方に当てはまらない。

ひと月に〇〇を〇〇個売れば生活費が稼げるね~。

っという計算ができないのだ。

これは、とても恐ろしい。

先月は広告収入で10万円稼げたけど、今月は1万円だった。っというのはザラにある。

これは、閲覧者の母数を大きくすることで解決することが出来る。

しかし、地域密着型ローカルWEBメディアでは、その母数が無いのだ。

結果、広告収入は低い水準で、しかも不安定な状態が続くことになる。

デメリットを理解して希望を見出せ!

この話を聞いて絶望をする人もいるだろう。

地域密着型ローカルWEBサイトの運営は難しいと思う人もいるだろう。

しかし、デメリットを理解するということは、解決策も生み出すキッカケとなるはずだ。

もしも、運営に興味がある人は、是非前向きにこの記事を読んでみて欲しい。

 

次回以降、この「地域密着型ローカルWEBサイトの収益方法」カテゴリでは、収益化についてもっと深く掘り下げていき、営業方法や大切な心構えなどを伝えていけたらと思う。